そもそも暗証印鑑とはどのようなものでしょうか?

一言で言うと「押印時に印影と凹凸が同時につく印鑑」となります。

具体的には表向きは印影、裏向きは凹凸が確認できる印鑑のことを指します。

下の写真をご覧ください。

※暗証印鑑による印影(左)と同印鑑によりカーボン紙の上から押印された印影(右)

上記の写真をご覧いただくとお分かりになるかと思いますが、左の写真は通常の表向きの印影で、右の写真はカーボン紙の上から押印した印影となります。

またこの左右の画像は、どちらも同じ印鑑で押印されたものとなります。

左の写真は従来通りの印影ですが、右の写真に関しては「暗証印鑑」という印影の「暗」の下の「日」の部分が特に黒くなっていることがお分かりいただけると思います。

これはこの「日」の部分のみに凹凸ができていることを指しており、この現象は従来までの印鑑では考えられません

また下記の写真をご覧ください。

これは、従来までの印鑑による印影(右)と同印鑑によりカーボン紙の上から押印された印影(左)となります。

左の印影を見ていただくとよくお分かりになるかと思いますが、どれだけ強く押印しても周りの円に対してにしか力が加わらないため、結果従来の印鑑であれば円の中に凹凸ができることはない、ということになります。

これが従来にはない暗証印鑑の特徴となります。

なぜこのようなことが可能なのか?

(※上記の暗証印鑑により押印された印影の裏面部分)

ではなぜこのような印影を作成することが可能なのでしょうか?

従来の印鑑は完全に平面のみでしたが、暗証印鑑は印鑑の印面の一部にわずかな凹凸を設けているため、押印時に印影に凹凸がつく、ということになります。

また押印した際、捺印マットの弾力で印鑑が紙面に押されるため、本来矛盾した関係である印影と凹凸ですが、両方とも問題なく反映されます。

当初は印影と凹凸の2つを両立させることは不可能である、と考えておりました。

実際に自分たちでいくつか試作品を作成し、何度か失敗した結果、現在の形に至ります。